寒の入り、親を思いながら干し大根
寒に入ったこの時期は干し大根つくりに最適。
葉がついた大根であればそのまま軒先にでも転がしておくか
たくさんあるときは竿に吊るしておけばいい。
干している最中でも煮物や即席漬けなどに使えるのでとても便利。
寒にさらしてあるので甘みが増し、しんなりしてきても煮物に重宝。
「大根たくさんもらって困ったわぁ」ということはないですよ。
とりあえず、外に出しておきましょう(^^♪
2~3日外に出し、しんなりしてきた大根を短冊切り
短冊に切った大根をハンガーに吊るして干しておく


早い時は1週間ぐらいでできあがり
写真は↓せんだって干したものだが、雨が多かったので色の仕上がりが悪い。
晴れの続く日に干したほうがいいのだけど・・
仕上がった干し大根は、手で形を整えてポリ袋に入れて冷凍庫へ
昔は缶に保存していたものだが、色が悪くなるので冷凍庫がおすすめ。
これで四本ぐらいかな↓

こちらの写真は昨年干したもの。
晴れの続く日に干したものなので色がきれい。

干し大根を作っておくと、煮物にはもちろん、お漬物、保存食など、
大根のおいしくない夏場にとても助かる。
姑が生きているころはこの時期、田舎に行っては延々と大根を剥いた。
丸大根を輪切りにしたものを数日干し、
しんなりしてきたものをりんごの皮をむくようにくるくると。
世間話をしながらくるくると・・
大根の切れ端は薄く刻み、ざるに広げて干す。
それはそのまま戻すとすぐに煮物や漬けものにできる。
ひも状に剥くと干すのに場所をとらない理由だったのだろう・・
昔の人の知恵はたいしたものだ。
当時はただ単に、姑の手伝いをしていたように思っていたが、
わが身にしみついた生活の知恵の大半は姑や母から受け継いだもの。
特に田舎暮らしの姑の生活の知恵は豊かだった。
親にはよく尽くしてきたと思う。
尽くしてきたという思いが独り歩きして、
”知恵”をもらってきたということを当時は思いもしなかった。
亡くした後に、後悔が残る
あれもしてやればよかった、こうすればよかった、と。
友人は婚家の両親の世話と自分の母親の世話、家族間の苦労、
といっぱいいっぱいで自分の母親にはきつい言葉を投げていた。
でもそれは、実の親子だから当たり前といえば当たり前の光景であって彼女は責められることはないのに、母親を亡くした後はいたく傷ついていた。
「もっと優しくしてやればよかった・・」と。
親や身近なものを亡くした誰もが後悔するのではなかろうか・・
慰めにもならない言葉だと思うけれど
「万全のことはできないけれど、
その人の世話をしようという無償の思いは
神からの恵みだと思う」
姑も母も二月に日を同じようにして逝った。
大根を切りながら、竿に長々と巻き付けてあった
大根の白い螺旋のさまが思い出される。
by tokinoyakata
| 2016-01-21 09:32
| きままなつぶやき