人気ブログランキング | 話題のタグを見る
ブログトップ

螺旋の上のカタツムリ

tokinoyaka.exblog.jp

この世のあることないこと、自由気ままに

ウソでも笑う


二十代前半に大きな悲劇に見舞われた。
その出来事は「生と死への疑問」という大きな課題を残していく。
当時、あまりの苦しさに涙することもできず、心が張り裂け気も狂わんばかりになると、
飲めないお酒を飲んで、顔が醜くはれ上がるまでワァーワァー泣き叫んだ。
十数年間、それだけ辛かった、と思っていたのだが、ある日、ふと気付いた。
あれは辛かったというよりも、私たち人間誰しもが持っている、
根源的な生きる力が己の身を守るためにした行為ではなかろうかと。
お酒を飲んで泣くことで少し生きられ、また、絶望的になるとお酒を飲んで泣いて少し生きられてと、命をつないできたのだろう・・・。
そのとき、ハッキリと思った。「人は何のために生まれてきたのかと問われたら、『生きるため』」と。
それから私の精神は強靭になっていったようである。

昨年、我が家にとって一大事が起きた。
あまりのタイミングの悪さに、胃はキリキリ痛み、大量の抜け毛は数ヶ月続き、身はやせる。
この状況を超えることで「いい女になれるわ」といきがってみても涙はあとから落ちてくる。
そうなれば後は開き直りしかない。
そこで「ウソでも笑う」ことにした。
夜眠る時と朝目覚めた時、ニカッと笑い、気がめいりそうになるとニカッと笑い、グチも笑って言う。
そうしていると笑いがクセになってしまい、生来の笑い上戸も手伝い腹から笑えてくる。
そして、こういう状況に腹から笑える自分がうれしくて元気がわいてくるのである。
生きるために生を受けてきたのなら逆境の中でも人生をたのしんで生きたい。
そのために「ウソでも笑う」すべを選択したことで根っからの明るい人間になってしまった。

わが人生に乾杯!そして感謝。
 
(南日本新聞・夕刊「思うこと」 平10年投稿)

ウソでも笑う_f0253169_2161813.jpg


今朝、ブログ更新しようと書き上げた文を誤作動で一瞬に消滅。
新しく書く気力も失せたので、昔書いたものを掲載します<(_ _)>









by tokinoyakata | 2014-05-14 21:11 | きままなつぶやき

by ウズメ